古代選手と同じグラウンドを走る   
オリンピアの魅力

 オリンピック発祥の地と位置づけられ、聖火の
採火式もヘラ神殿跡で行われます。凹面鏡に太
陽光を受けて発火させるのは、古代ギリシャの
神に仕える女性の衣装をまとったギリシャ女性
です。

 オリンピックの聖火リレーは、大昔からのように
思われていますが、ごく近代の話です。聖火その
ものは、ギリシャ神話のプメラウスがゼウスのもと
から火を盗み、人々に伝えたという神話がありま
す。古代オリンピックでは競技期間中にその火が
ともされ続けたそうです。

 近代オリンピックで聖火がともされたのは、192
8年のアムステルダム五輪が最初です。聖火リレ
ーは1936年のベルリン大会からでした。一説に
は聖火リレーをナチが利用し、リレーしながら各国
の情勢を探った、などと言う話まであります。

 純粋に「火を運んだ」と言うより、盛り上げのイベ
ントとして、その後盛んになりました。
 オリンピックが商業化、イベント化するにつれて
、聖火リレーも開催国の宣伝と盛り上げの道具とし
てと切り離せないものになっています。

▼寄り道

古代オリンピックは必ずしもオリンピアだけが
発祥の地と言うことではなさそうです。定説は
記録に残る紀元前776年を第1回としています
が、それまでにもギリシャには“4大大祭”があ
ったようです。
 @オリンピアAイストモ(コリントス運河の近く)
BネメアCデルフィ−です。今やオリンピックは
オリンピアが起源となっていますが、発祥の説
からしてさまざまですから、当てにはなりません。
 今更、ジジがいくら力説しても仕方のないこと
ですが、古代の競技大会は他にもあり、一説に
はオリンピアやそれに関わる人たちが、オリンピ
ア起源説を広めたという話さえあります。

写真右上=競技場へのゲート、中=採火式の行われる神殿跡、下=ヘラ神殿


 オリンピアにはオリンピック博物館=左=があり、遺跡で発掘されたものが保管・展示されています。2004年のアテネ大会の前に、博物館も改修されました。この写真は改修前のひっそりとした時代のものです。
 オリンピックは地域を一気に開発します。忘れられかけていたものも、急に脚光を浴びたりします。オリンピックが終わった翌年、アテネ市内の幾つもの施設には、早くも草が生え、全く使われていないのを見ました。
 工事もオリンピックに間に合わず、そのまま終わっているところもありました。宴の後を見て回るもの好きはそうはいないのでしょう。宛名からのレポートは大火災くらいしか目につきません。

オリンピアは遺跡の周辺に小さな村があります。観光客は遺跡に近いホテルへ泊まりますが、周囲の村々は山の斜面にへばりつくように家が建てられています。
 07年夏の大火で写真の村も壊滅状態でしょう。遺跡は何とか延焼を免れたようですが、山中の村は消火設備も、水も乏しいので燃えさかる山火事に対抗しようもありません。