抜海から約30km、サロベツ原生花園への標識に従い道道と分かれて豊富町方面へ向かう。豊富町から幌延町にまたがる東西約7km、南北約28km、面積は約2万3,000ヘクタールにも及ぶ広大な湿原が広がる原生花園は、初夏から初秋にかけて約100種類以上の花が咲く。大小無数の湖沼もあり、あたりには針広混交林が広がり、小動物や野鳥なども観ることができる。
道路沿いには、ビジターセンターとレストハウスの木造の建物があり、ここから湿原の中を散策する木道が完備されている。訪れる人も少なく、あでやかな色彩もない、秋の湿原はすでに命の輝きも終わり、一面茶色の世界であった。だが、これもまた青い空に映えて見事な美しさだった。
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