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稲庭城からの展望
●稲庭うどん

稲庭干饂飩の本店
こしがあってつるつると喉ごしがよく、淡泊な独特の味のある稲庭うどんの
産地が、栗駒山の麓小安峡温泉の近くにあったとは、今回の旅の発見の一つ
であった。
江戸時代から稲庭の城主に献上してきたというから、その歴史は古い。製造
者は本家と、娘婿の二軒だけだったが、現在は40数軒あるという。もともと
秘伝とされた製法もいつの間にか、本家と離れて大きな会社にまで発展した
ところもある。しかし、味には大きな違いはないそうだ。

うどんを延ばす 稲庭干饂飩はなかなかの味でした
●小安峡温泉
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小安峡に入ると、最初に見るものは、橋の上から眺める峡谷だ。見下ろす深さ
60mもの断崖絶壁の岩の裂け目から轟音とともに吹き出す白煙化した熱湯と、
それを彩る紅葉の美しさに誰もが自然の驚異を感じるにちがいない。急流が小
安岳を浸食し長い年月をかけて刻んだ険しい峡谷、その地下深くから温泉が噴
き出す小安峡の大噴湯は、秋田が誇る景観の一つである。
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小安峡谷の噴気を橋の上から見る 岩盤から勢いよくガスが吹き出している
国道沿いの駐車場に車を駐め、深い峡谷への階段を下る。300段を超える階段
に、帰りの難儀を思いながらも大噴湯を間近に見たさに一気に下る。
両側を岩壁が迫る中に遊歩道があり、岩の隙間から熱湯と、音を立てて吹き出
す湯煙を避けるように歩く。突然、大きく吹き上がる湯気に、メガネやカメラ
のレンズが一瞬にして曇る。見上げれば、紅葉の木々の彼方に赤い橋、絵にな
る風景だ

314段の階段を下り、小安峡の噴気を見ました
○宿と温泉
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小安峡温泉には民宿を含めて16軒の宿がある。泉質はナトリウム、塩化物流酸
塩水の温泉は、どこの宿も天然かけ流しだ。料金も1泊2食付き7,000円位から
2万円前後まである。いつも予約なしで行動するため、食事付きの宿は断られこ
とが多いが、今回は幸運にも部屋がとれた。こぢんまりした宿で湯量たっぷりの
風呂と、お国なまりの言葉と、自ら採ってきたというキノコづくしの料理は、
山の温泉宿らしくてよかった。
ちなみに宿の名は「鳳(おおとり)」
TEL 0183-47-5209
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小安温泉で泊まった「おやど鳳」の湯
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●須川温泉

栗駒道路から見る鳥海山 秋真っ盛りでした(栗駒山系)

栗駒への新道(秋田県側) 栗駒への道路

小安峡から約10km国道398号線と分かれ、県道282号線を辿る。いまは盛りと誇る山の紅葉を堪能しながらのドライブだ。
新しい道の工事が進んでいた。現在はカーブの多い狭い山道だが、交通量が少ない。カーブを曲がるたびに標高を上げ、
山の形や山を染める色合いの変化を楽しむ。眼下には森の中を這う蛇のように、真新しく立派な道路を見下ろす。多分来
年には、いま走る狭く古い道は廃道になっているだろう。やがて岩手県へと抜ける国道342号線へ合流すると、すぐ栗駒
山の真下にある須川温泉についた。
島尾下の茶屋と 峠道の安全を願い工事関係者が作った栗駒神社

須川温泉 秋田・岩手県境の須川温泉の足湯
その昔、栗駒山登山に、この須川温泉に一泊したことがあった。まだ、道路もなく山道を何時間も
かけて歩いて来たころのことだ。何年も風雪に耐えた木造の小屋のような温泉は、自炊の湯治客が
主だった。露天風呂や板戸で囲われた内風呂の外には、熊が残飯をあさりにやってくる、そんな時
代からは想像もつかない大きく立派な旅館が建っていた。
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